銀河英雄伝説はモブキャラが存在しない。
登場人物全員に意味が与えられている。
しかも、有能か無能かが明確に分けられているので、視聴者としては、とても分かりやすい作りになっている。
こんなツイートをした。
パエッタ中将ってあれ自分の上司だっけ?そう思えるキャラってすごく愛着が湧きます。情にもろくミスジャッジ…。社会では冷徹さに重きを置いた方がうまくいくとつくづく思わせる見事な反面教師。#銀英伝
— 甘いものコントローラー (@sweet_ruler) May 8, 2022
今回は、パエッタ中将について述べていきたい。
パエッタ中将とは
パエッタ中将は、自由惑星同盟軍の艦隊司令官で階級は中将である。
作中では、下記の戦いに参加している。
- レグニッツァ遭遇戦
- 第4次ティアマト会戦
- アスターテ会戦
- ランテマリオ会戦
退役後は、自由惑星同盟を併合した銀河帝国軍によって刑務所に投獄された。
そして刑務所内において発生した暴動の中であえなく死亡する、そんな人生である。
パエッタ中将の実績
パエッタ中将は、銀河英雄伝説【旧作OVA】第1話で下記のような名言を残している。
- 「なんだと、非常識な」
- 「では君は、第4艦隊を見殺しにしろというのか」
- 「第4艦隊を指揮するパストーレ中将は私の友人であり、…」
- 「不明な以上、望みはある」
上記の発言は、銀河英雄伝説【旧作OVA】第1話におけるパエッタ中将の幕僚ヤンとの会話であるが、そのすべてにおいてパエッタ中将の頑固さがにじみ出ていて、ある意味魅力的であり、私は好きだ。
こんな上司、みなさんの身近にも、さぞ多かろう。
パエッタのような反面教師としてのキャラは本作に無数に登場する。しかも、パエッタは出番がかなり少ない。
にもかかわらず、意外とパエッタファンが多いのは、こんな上司嫌だ!というわけではないが、我々の社会にもこういう上司が無数に存在するからだろう。
パエッタ中将は有能か?無能か?
というわけで、パエッタ中将は有能か?無能か?という答えは、すでにみなさんもお判りのことと思う。
答えは、無能である。
常識的な世界に身を置いているのであればまだしも、状況が刻一刻と変わる、それこそ非常識の権化ともいえる戦場においては、時に冷静さを超えた合理性、つまり冷徹な判断も必要である。
しかし、パエッタ中将の発言からは、一貫して、常識的で、情に厚く、それでいて頑固な面しかない。
パエッタ中将から学ぶこと
人生は大小さまざまなピンチの連続である。
ピンチに強い人は、パエッタ中将の発言を反転させた思考をする。まさに作中のヤンのように。
- 「なんだと、非常識な」→戦場では非常識が常識です
- 「では君は、第4艦隊を見殺しにしろというのか」→たとえ第4艦隊を失っても救える命が多いほうに賭けるべきです
- 「第4艦隊を指揮するパストーレ中将は私の友人であり、…」→友人は大事でしょう。私にも友人はいますが、…
- 「不明な以上、望みはある」→不明な以上、最悪な事態に備えておくべきです
非常識なことが重なるからこそ、「仕事」が存在するわけで、ああそうきたか…というヤンのような余裕は、社会においてかなり重要である。
また、自分が一軍を率いる立場になると、どうしても常識論に傾きがちになる。
そうした場合、その場の状況に即応した一見非常識ながら合理的な部下の提案を採用できる能力こそ、管理職には求められている。
仕事のピンチを迎えて、幸か不幸か部下が提案をくれた際には、パエッタ中将の発言を反転させてみよう。
仕事を大きくかつ楽に進めていくことができるかもしれない。
但し、ヤンとまでは言わないが、ある程度創造性豊かな幕僚に恵まれるという条件が必要となるが…。
コメント